「保守つまらない?実はスキルアップできるチャンス!」に続き、保守業務を分かりやすく伝えるために「メーカー系IT企業の保守業務」についてまとめてみました。
「保守は開発じゃないから設計をしない」なんて勘違いしないように!
おさらい:保守業務とは
会社によって保守担当の業務内容が若干違うこともありますので、保守の業務内容を書いておきます。保守・運用と一括りにしてることもありますが、保守と運用は全然違います。
【保守の業務内容】
- 法改正や制度改定に伴い、現行機能を維持するためにシステムの一部を改修する
- お客様の業務改善に伴う業務変更やシステム利便性向上にあたり、システムの機能改善・改良をする
- 不具合、ハードウェア障害等によりシステム障害が発生した場合は、原因究明および復旧を行う。
メーカー系IT企業ならではの保守業務
保守を受け持つメーカー系IT企業は、多数の顧客から委託を受けて、顧客に代わってシステムの運用をしています。
そこで、メーカー系IT企業は、多くの顧客に対して顧客のシステムの利便性向上を目的とした、「システム運用負荷・コストの低減策」、「災害対策」、「セキュリティ対策」等の提案をしています。
多くの顧客に対してパッケージ化した改善案を提案していくというのは、親会社のシステムのみ運用しているユーザー系とは大きく違う点です。
メーカー系IT企業からすると、自社サービスとしてパッケージ化して何社にも売ることができます。顧客からすると、メーカー系IT企業にお任せすることで、最新技術に追随していくことができますから、本業に専念できるというメリットはあるでしょう。
メーカー系IT企業の保守業務に関する提案例
では、具体的にどのような保守に関する提案を行っているか一例を挙げて紹介していきます。
最新製品を用いた運用設計の提案
- 現在利用する製品は、1日のうち1時間はシステムを停止する必要があったが、システム無停止が実現できる製品を提案する。
- データバックアップに3時間かかっていたが、1時間でできるようになる製品を提案する。
- 個別に設計・開発が必要であった運用に関して、新製品により大幅な設計・開発の削減を提案する。
事業継続・災害対策の提案
- サーバが破損しても、システムを利用できるよう2台構成を提案する。
- サーバを設置する場所を自社ビルから、震災に強いデータセンターへ移設を提案する。
セキュリティ対策の提案
- 利用している製品にセキュリティの欠陥が見つかった場合は、修正版の製品に入れ替えるよう提案する。
- 暗号化機能の組み込みを提案する。
サーバのクラウド化・仮想化の提案
サーバをクラウド化や仮想化技術により、台数を減らすことで費用の削減を提案する。
大まかに書きましたが、本当に色々なことを提案しています。当然このサービスを提供するために設計もしています。
もう少し詳しく知りたい方は、富士通エフサスのソリューションカタログを読むと良いでしょう。
保守業務を担当するIT企業(順不同)
多くのIT企業が保守を行っていますがご参考までに一部をご紹介します。
メーカー系
その他
- ユニアデックス(日本ユニシスの子会社)
- CTCテクノロジー(伊藤忠テクノソリューションズの子会社)
- NSSLCサービス(新日鉄住金ソリューションズの子会社)
以上、ご参考になれば幸いです!