新卒のときはユーザ系IT企業に就職できて良かったと本当に思った。
やはり、福利厚生も良いし初任給は悪くない。
今でもユーザ系IT企業は、学生さんに勧めることはできる。
でも、ユーザ系IT企業と一括りでいっても、それぞれの会社で実情は大きく違う。また、会社には良い面と悪い面が必ずある。業績不振によるボーナスカットの影響も大いにあるが、4年目の頃の私は、会社の悪い部分が気になるようになってきた。
成長しない会社 利益なしを目指せ!
会社は営利目的だ。
もちろん企業倫理を守る必要があるが、その中であればできる限り利益をあげた方が褒められるはず。
でも、この考えは親会社・グループ会社をお得意様とする内販中心のユーザ系IT企業には通用しない。
「利益を上げるな!利益なしを目指せ!」
上司から言われて、「なんだこの会社は?」と思った。
耳を疑った。
どうやら、利益を上げすぎると、親会社やグループ会社から不正にお金を多く取っていると非難されるらしい。
システム開発プロジェクトが予想通りの収益で着地するなんてほぼ不可能だ。
予想外の利益が出る度に、モニタやPCの買い替えをしたり、必死に利益を削る努力をしている(笑)
ボーナスに還元して欲しいが、ボーナスに還元すると目立つのでできないらしい。
(ボーナスの賞与額を決めるにあたって親会社にも報告している…)
ユーザ系IT企業の多くは、親会社の情報システム部門が独立した会社。
情報システム部門は間接部門(スタッフ部門)だから、親会社からすれば総務部や人事部が利益を上げているのと同じ扱いだそうだ。
利益が出ない会社に成長は存在しない…
技術力が身に付かない
SEなら技術力は身につけた方が転職しやすい。
だから、私は4年間できる限り、技術力を身につけようと努力した。
その結果、オラクルマスター ゴールドを取得できた。
だが、保守・運用業務の仕事では、どうしても業務で使うITスキルが偏る。
製品の新技術が出たとしても当面採用することはない。
「すぐに使わない技術でも勉強しておいた方が幅になる」と考えているが、それでも当時は使う機会が少なすぎた。
更に協力会社に仕事を委託することがあった。協力会社の作業管理が主体となると、ますます技術に触れる機会が減ってしまった。
天下り先 出向社員・役員がたくさん来る
これは子会社なら仕方がないことかもしれない。
親会社から定年間近の方々がたくさん出向してきて、ポストを埋めていく。
力のある子会社なら、プロパーがポストを占めるのだろうが、私が勤める会社はどうだろうか…
課長クラスにプロパーはちらほら居るが、部長以上の役職は埋められている。
入社する前から、会社の仕組みだと諦めていた。
だが、ある日突然、全然働かない上司が来たらどうだろう。
部下を働かせるだけで働かせて、自分は毎日定時帰りをしている姿を見たときは、さすがに思うものはあった。
物事は良い面を見た方が良いが…
当時は嫌な事が重なったのもあるかもしれない。
良い面を見るようにした方がいいのに、不満ばかりが溜まっていた。
思い返すと、自身のキャリアパスが描けないことや、その年のボーナスカットが響いたのかもしれない。
同期同士で集まれば転職活動の話題は必ず挙がっていたし。